第20章 折れた華と覆う雨雲(ARES作)
水華は歩いていた。
早く会わなければ。伝えなければならないことがある。
竜樹と章吾がこちらを認め・・・そして・・・名前を呼んだ。
焦った声だった。応えようとするが、体が重い。
声さえ出せず、あげようとした手もあがらない。
そこで、意識は無くなった。
「水華!?」
駆け寄る。しかし、横たわる水華は動かない。
「死ぬな!!!」
「落ち着け竜樹。確かに生きてる。手当てしないと。」
水華は傷だらけだった。着ている服は破れて、泥で汚れている。
「傷口は?」
「何が、あったんだ?」
数箇所の擦り傷がある。しかし、血まみれになるほどではない。
ではなぜ。なぜここまで傷ついている。
「魔法、か?」
竜樹はつぶやく。
「体全体を狙うような魔法と、内臓だけを狙った魔法。その両方だ。」
冷静に章吾が言う。
「えっ。赤の魔法と、青の魔法?」
「そう。その、両方が、傷つけた。」
何が敵なのだろう。
雨が降っていた。
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